高温高圧実験技術開発


マルチアンビル型高圧装置、特に川井型超高圧装置は高圧地球科学において広く使われている高圧装置です。比較的大きな体積に下部マントルに届く圧力を発生させることが出来るので、高温高圧下における地球内部構成物質の性質を正確に決定することが可能です。

しかし、マルチアンビル装置の圧力上限は通常25GPaに限られており、これでは下部マントル最上部の深さ700kmまでの領域しか研究対象にすることが出来ません。従って、マルチアンビル装置で発生できる圧力範囲を拡大する事は、これからの研究の発展の為に極めて重要です。

また、マルチアンビル装置のアンビルは不透明であると共に、試料は厚い圧媒体で包まれているので、高温高圧下にある試料をその場観察することが出来ません。更に言うと、高圧装置であるにもかかわらず圧力を測定することが出来ません。これらの問題を解決する方法として、放射光X線によるその場観察があります。放射光から発生される高エネルギー高輝度のX線は圧力媒体を貫いて試料に届かせることが出来ますので、高温高圧下にある試料をその場でX線回折することが出来ます。これにより試料に起こっている相変化や反応をリアルタイムで解析することが出来ます。また、温度-圧力-体積の関係(状態方程式)が良く研究されている物質を試料と共に高圧セルに入れ、X線回折によりその圧力標準物質の比体積を求め、熱電対で測定した温度とあわせて、その状態方程式から圧力を見積もることが出来ます。加えて、試料を透過してきたX線のイメージを取ることにより、試料の形をモニターすることが出来ます。

以上より、圧力発生領域の拡大と放射光X線その場観察の利用の二つを主眼にして、マルチアンビル装置の実験技術開発を行って来ました。以下に、そのプロジェクトについて述べます。


現在進行中のプロジェクト


過去のプロジェクト